2011-09-09 Fri [ 原子力発電 ]
by 日詰明男
以下の文章は2011年4月30日の段階で書いたものである。ある理由で、投稿することを取りやめた。
だが今回、ふたたび投稿しようという気になった。
その理由については末尾で明かしてある。
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人間は他の哺乳類に比べて、決定的に未熟児で生まれる。
なぜかといえば、ヒトは不自然なまでに大きく発達した脳を持ってしまったため、難産になるのは必至。
母体と胎児双方の安全を担保するため、胎内での成熟をほどほどのところであきらめるしかなかったと言われる。
母の胎内で十分な情報を受け取らぬままヒトは世に生れ落ちるため、他の動物に比べて本能は希薄である。その引き換えに白紙から考えることのできるとてつもない自由度を手にしたわけだ。
ほとんどの動物は火を見ると本能的に逃げようとするが、人間は火を恐れなくなった。
良かれ悪しかれ、これが人類という生物の特長である。
骨格標本を観察しても、人間のバランスはどこか変である。
私は一デザイナーとして、人間の骨格デザインを評価するとしたらABCのうち「C」とするだろう。
それに比べてゴリラの骨格の方がはるかに完成度が高いと思う。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Huxley_-_Mans_Place_in_Nature.jpg
乗り物に喩えるなら、ゴリラがポルシェだとしたら、さしずめホモ・サピエンスは改造しまくった暴走族のバイクだろうか。
やたらエンジン音がうるさいわりに遅く、故障も頻発し、安定性が低く、転倒しやすい。
無駄にきらびやかな意匠は暴走族の仲間内でしか意味を持たない。
ヒトのゲノム配列も冗長で、寿命も長いので、人生はゆりかごから墓場まで病気との闘いそのものである。
プログラムが複雑になればなるほどバグは発生しやすく、遺伝情報は脆弱であることを意味する。
それとは対照的に、生きた化石であるゴキブリのゲノムは、さながら3.5インチ・フロッピー・ディスクに余裕で収まるほどコンパクトなプログラムであり、無駄がない。
「何も引けない、何も足せない」ほどの完成度である。
一匹のゴキブリは切手裏面の糊のカロリーで一週間生きられるそうだ。
だからゴキブリは核戦争後にも生き残るだろうといわれる。
誇張でもなんでもなく、よりによって放射線に対して地球上で最もデリケートなはずの人間が、何が悲しゅうて天敵というべき道具を自ら発明してしまったのだろう。
天敵を禁忌するどころか、「明るいみらい」とむしろ賛美する多くの人間とは何だろう。
これは宇宙的ナンセンスである。
地上において核物質は「必要悪」という次元ではなく、「100パーセント悪魔的なもの」と断言していいだろう。
政府、行政官僚、電力会社、大手広告代理店、マスコミ、御用学者、軍人たちに、宇宙的な意味で原発や核兵器がいかに愚かで危険であるかをどんなに語っても、まったく心に響かないようだ。
彼らはどこか現実離れした世界で生きている。
生命の危機に瀕した住民の悲痛な叫びを前にしても、どこ吹く風。
他人事である。
あるいはお金で解決する諸々の問題のひとつだとしか考えていない。
自分たちは不死身だとでも思っているのだろうか。
すべての人に差別なく、容赦なく襲っている生物学的危機だというのに。
それよりも自分の肩書きや体裁を最優先し、ステロタイプで空虚な言葉を吐き続け、定年まで窓際で事なかれですごし、住宅ローンをそれまでに完済し、あわよくば天下りし、悠々自適の年金生活を夢見ている。
これが小泉政権のころから取りざたされた「勝ち組」の正体である。
こんな徹底したカルト宗教もないだろう。
このマインド・コントロールは絶望的に解けない。
いまやオウム心理教の地下鉄サリン事件が線香花火に見える。
元原発技術者菊地洋一氏は「もし浜岡原発が制御不能になると福島原発が線香花火に見えるだろう」と言っている。
http://www.youtube.com/watch?v=gNWVljrvl3o
福島原子力発電所の事故で、ここまで国家があっけなく潰れてしまうのかという現実を、現在只今、目の当たりにしているわけだが、これさえも線香花火だとは。。。
浜岡の脅威は推して知るべしであろう。
おそらく六ヶ所村やもんじゅの潜在的脅威はそれをさらに上回るだろう。
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ここまで書いて、裏を取るべく、地上生物のなかで最大のゲノムを持つのはヒトかどうかを確かめたところ、意外にそうではないことが判明した。
最大(最多)のゲノムを持つのはユリ科のキヌガサソウだとのこと。
動物でも、なんとネズミの方がゲノムは大きい。
これが上記記事を投稿しなかった理由である。
ところが最近こんなニュースを目にして、再び投稿する気になった。
ニュースソースはもうネット上から消えているが、たとえば以下のブログなどにコピーが残っている。
さいたま市の巨大ゆり
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/09/blog-post.html
不気味である。
ネズミにも変化が起こっているかどうか注意する必要があるだろう。
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