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核分裂火山その後
by 日詰明男
核分裂火山の提案をしたところ、意外に評判が悪い。
「臭い物に蓋」と、安易な逃避と見えるのかもしれない。

京大の小出氏に言わせると、これから何年も水をかけ続け、汚水と汚染された蒸気を放出し続けるしかないと。
そして十分冷えたところで石棺化し、永久立ち入り禁止するというのが、大方の見方だろう。

しかしその間に作業員、ひいては国民、あらゆる生物の命、そして経済が持ちこたえるとは思えない。
どんな解決法も汚染の総量は甚大で五十歩百歩である。
だから地下までは無理としても、せめて大気中と海洋汚染を防ぐ賭けに出るしかないと思って私は書いた。
山で固めるのは新聞紙やオガクズよりはるかにましだろう。

チェルノブイリも最悪だったが、それでも事故10日後には多くの犠牲をはらいつつも石棺化にこぎつけた。
いまだにくすぶっているとはいうが、福島のような大量垂れ流し状態は早々に脱している。
福島はまだ事態収拾のスタートラインにも立っていない。

日本の土木技術なら外国の助けを借りなくても、自力で石棺以上の堅固な山を築けるだろう。
というか皮肉にもこれこそ日本が最も得意とする分野である。
ゴミでできた夢の島を作った実績もある。
巨大な無駄ダムを無数に建設した実績もある。
巨大な山を一夜にして丸ごと削ったことだってある。

最初は中心にチェルノブイリよりはるかに大きな築山を。
それで落ち着けばしめたものである。
それでもほころびはできてしまうだろう。
しかしそれが局所的ならば対策も立てやすい。
いずれは30km直径の裾野を持つ富士山型の山に成長させてもいい。
標高は数百メートル。
直径100kmの汚染された表土をさらっては、中心に集め、何重にも鉛やコンクリートで固め、徐々に層を厚くするわけだ。
人類最悪の産業廃棄物で築かれた「夢の島」ならぬ「夢の山」が永遠にそびえる。

大前研一氏はテントで囲うなんていうアイデアを出しているが、あまりにも構造が華奢だし、そんなデリケートな作業を誰が買って出るだろうか。

|| 15:11 | comments (x) | trackback (x) | ||


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