MU-MAGARI
六勾(むまがり)

Quasi-Periodic Six-Fold 3D Chiral Lattice

Copyright 1992-1993 Akio HIZUME
PATENT NUMBER 3493499 (March 31, 1993)


stereo
Cross your eyes.

 「生命と建築」の出版から二年後の秋、私は五勾に引き続く重要な発見をした。「六勾」(上図)がそれである。このホームページのトップには120本六勾の平行投象図がある。
 六勾の発見に至るまでには、建築家の武器「定規・コンパス・トレーシングペーパー」が不可欠だった事を強調しておきたい。
 こうした一切の探究を怠りながら、結果が判明した段になって現れて「私が思っていたとおりの構造だ。私は作らなくても分かっていた。」と言ってのける科学者が世の中には存在する。
 五勾が準周期性を平面組織に導入したものであるのに対し、六勾はそれを空間組織にまで発展させたものである。前者は2次元の構造物、後者は3次元の構造物である。両者の違いは次元の違いだけで、性質は全く同じである。例えば単純な繰り返しでは出来ないこと、徹頭徹尾黄金比に支配された構造であること、右巻と左巻きの区別があること等々である。五勾が五重の繊維組織であるのに対し、
六勾は六重の繊維組織であるということが名前の由来である。どちらの構造物も、六次元空間の同一のジャングルジムの影の形である。

 六勾は単一の太さのロッドが、アクロバット的な折り合いをつけて、互いに支え合っている。この方法で無限に組めることはこれで示された。

六勾の影

準結晶モデルとしての六勾

周期的曼陀羅を越えて

類似作品 類似研究に注意してください

 1992年12月の準結晶研究会でこの発見を公表して後、当時筑波大教授だった小川泰氏から口頭で共同研究の申し入れがあり、発表の機会をいろいろ紹介してもらいました。当初は私も氏の協力を歓迎し、謝辞を必ず表明していましたが、次第に小川氏の行動は変化してゆき、ついに氏は私の同意無く、別の名称をつけて単独論文で発表するまでになりました(FORMA 9, 1994)。
 また、所属がないという理由で申請書から私の名前をはずし、小川氏は政府から莫大な科研費を受けたにもかかわらず、共同研究らしい事はついに一度も行われませんでした。
 ごく最近はYKKAPという建設会社が出版する雑誌「AP-to-DATE創刊号(1998)」に小川氏の記事があり、その中で私の著作がクレジットなく複数無断使用される事件がありました。発覚してすぐに配布は差し止められましたが、すでに1万部以上も流通したといいます。
 その雑誌は創刊号で即廃刊となり、したがって訂正もされませんでした。
 出版関係者が菓子折を持って謝りに来たり、25万円の和解金を払うと打診してきたりしましたが、1万部以上ばらまかれた誤情報を、25万円でどうやって訂正できるというのでしょう。私は懲罰的な意味を抜きにしても200万円でも足りないと思っています。
 このようなずさんな出版行為によって、先行研究の出典は混乱され、今後この分野に関する研究活動全体が被る長期的なダメージを考えれば、科学界の良識からして許し難い事といえるのではないでしょうか。

 相手側に誠意が見られない以上、私は個人で可能なあらゆるメディアで、この事実を発信し続けるつもりです。このことを出来るだけ多くの人に知っていただきたいと思います。

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