i n t e r - n a t i v e
architecture OF music
音楽 の 建築
日詰明男 個展

2004年2月2日(月) - 20日(金)
11:00 am - 6:30 pm(日・祝休廊)

art space kimura ASK?
中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
TEL 03-5524-0771 FAX 03-5524-0772


個展「音楽の建築」企画書

リゾーム状曼荼羅
人の背の高さほどの5角柱を多数配置し、ギャラリー全面にリゾーム状の曼陀羅をこしらえます。
この配置はペンローズ・タイルを下敷きにしています。

光と音のインスタレーション
各5角柱の中央スリットにプレアデス・ランプを吊し、デジタル制御でリゾーム状の音楽「フィボナッチ・ケチャック」に同期させた点滅をさせます。
各スリットは、独自のリズムで呼吸するように浮かび上がることでしょう。
リズムパターンは浜辺の波のように刻々と変化し、繰り返すことはありません。
(別室では、この音楽理論の集大成であるインタラクティヴ作品「Real Kecak System」を体験できます。)

メディナあるいはバベルの図書館
各5角柱は展示台あるいは書架として機能します。
書架の棚板や壁にはさまざまな幾何学作品やテキストが展示され、さながら「精神財博物館」といったところ。
書架と書架の間隔は人が一人、やっと通れるほどです。
迷宮都市(メディナ)の内部を、観客は慎重に、そして自由に歩き巡ることによって、空間と音楽の法則を無意識に見つけようとするでしょう。方向感覚を見失う分、出会いや発見は多くなります。

次元の統合
ここでは、1つの空間に3つの次元が有機的に統合されています。すなわち、
  3次元(準周期的幾何学オブジェ)
  2次元(準周期的展示配置形式)
  1次元(準周期的背景音楽)
これら全ての造形は、同一の6次元幾何学をそれぞれの空間次元に落とした「影」と定義できます。
プラトンの洞窟の比喩のように、私達は6次元の幾何学を、「影」によって感知する他はないのです。
音楽と建築のフォルムが、これほどまでに過不足なく一致した例は今まで無かったでしょう。
言わば、異次元空間を横断した同一主題のカノンが演じられているのです。

演奏家と聴衆のゆるやかな関係
メディナの辻辻は、準周期的リズムを紡ぎ出すアンサンブル・スターケージが演奏する場所になります。
演奏家は、他の演奏家が見えず、音の気配を頼りに、アンサンブルに参加します。
各演奏家はそれぞれ異なった、しかし自己相似なリズムを叩きます。
それはまるで草むらのキリギリスのごとし。
観客のための場所は特に無く、メディナ内部を自由電子のように彷徨いながら聴くほかはありません。
興が乗れば、観客は突然演奏家にとってかわることもあるでしょう。
それまで演奏家だった人は彼に音具を預け、再び演奏家となるまでは自由電子となって、準結晶空間を彷徨うことになります。
書架壁面がつくる音の反射は、独特な音響空間を作ることでしょう。
これもまた黄金比に基づく「乱反射する星籠建築」の特筆すべき効果と思われます。

主催:art space kimura ASK?
協賛:馬場商工株式会社
協力:龍谷大学理工学部四ッ谷研究室

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