高さ8mにおよぶ竹のフィボナッチ・タワーを静岡市美術館の「七夕の美術展」に向けて建立した。 塔のシルエットは、アントニオ・ガウディも多用した懸垂線(カテナリー)に基づいて設計している。 竹材の配置は植物の葉序の数学に基づいている。 photo: Kazuko Yamamoto 石上竹材さんに50本ほどの孟宗竹を調達していただいた。長さは約8m。 photo: Kazuko Yamamoto photo: Ryohei Aoki ボランティアの女性が太い孟宗竹を手ノコで引く。重労働である。 一日手伝ってくれたボランティアの皆さんには、手製の1ボックリ紙幣を差し上げた。 その紙幣は旧暦の七夕(2012年8月24日)のみ有効の兌換紙幣、一種の地域通貨である。 七夕当日は私の作品と交換できる趣向。 photo: Kazuko Yamamoto 少なくとも300本以上が必要である。 photo: Kazuko Yamamoto それを愛車の軽トラで建設現場まで運ぶ。 photo: Ryohei Aoki 美術館の搬入用車庫にすべての竹を運び入れ、長さ順にならべた。部材の総数133本。 すべてミリ単位で長さが異なっている。 車庫は竹で敷き詰められ、まるで草月流のインスタレーションのようになった。 photo: Ryohei Aoki 許容誤差は1mm程度。慎重の上に慎重を重ねた作業である。 photo: Ryohei Aoki 出来る限り垂直でなければならない。 photo: Kazuko Yamamoto photo: Ryohei Aoki 毎日の作業の後、皆でフィボナッチ・ケチャックの演奏を楽しんだ。その中の数人には、旧暦七夕の日に静岡市美術館で行われるコンサートに出演していただくことになった。 photo: Ryohei Aoki photo: Ryohei Aoki タワー組み立ての前日、私は現場で正確な位置決めをする。photo: Kazuko Yamamoto 建築中の安全を祈り、地鎮祭を執り行った。 ヴォランティアの若手男子大野君と女子松田さんに、杭打ちの儀式を執り行ってもらった。 photo: Kazuko Yamamoto photo: Kazko Yamamoto photo: Kazuko Yamamoto この礼拝形式も黄金比のリズム「たたけたけ」というこだわり。 photo: Kazuko Yamamoto この壁構造は新開発、校倉造の黄金比的拡張である。 photo: Ryohei Aoki photo: Ryohei Aoki photo: Arata Ikura photo: Tomoko Ninomiya 私は高いところが苦手である。 しかし責任上、私自身が高所作業をするしかないのである。 photo: Tomoko Ninomiya この塔は「超柔構造」なのでかなり揺れる。 冷や汗だらだら。 photo: Tomoko Ninomiya 結局7時間ほどで組みあがった。 文字通り、一夜で天まで成長する「一夜瓢」の抽象である。 photo: Arata Ikura photo: Arata Ikura Section 私はタワー頂部からワイヤーを垂らし、地面すれすれに重い鐘を吊るした。この鐘は飾りではない。これが振り子のように働いて、塔全体は地震に耐える構造として完結する。 これは千年以上前に建てられ、この地震国で倒れずに立ち続ける五重塔の戦略から学んだものである。 photo: Arata Ikura ヴォランティアと記念撮影。以倉新 吉田恵理 青木良平 山本香瑞子 静岡市美術館 石上竹材店 長谷川未紗, 野口彩香, 足立玲, 遠藤莉保, 平垣桃子, 仁志有佐, 黒川絵里, 庵原飛鳥, 三浦彩花, 片山留理子, 古本友佳理, 山本佳世, 谷沢勝利, 小林さゆり, 岩倉牧, 植田恵, 西野里菜, 遠藤あやめ, 田内百合子, 藤浪浩子,榊原孝史, 松田沙紀, 曽根香澄, 前島若奈, 西ヶ谷香澄, 水谷英美 中川昌昭, 大野雅貴, 青山小代美 秋場佐登美, 秋場美緒 二宮知子 |