ドイツ人の竹商人ウルフガング・エバーツを介して、オーストリア人のアーティスト、アンドレ・ヘラーからの突然の制作依頼があり、インスブルックのほど近く、チロル地方の小さな町の大きな企業の敷地に、３００本の竹による星籠を造ることになった。

準備期間はわずか１ヶ月だった。

私は、アメリカ.での国際会議からオーストリアに直行すべく、貴重な会議の合間を縫ってワシントンで航空券を手配しなければならなかった。

この野外彫刻の制作には２週間を要し、順調に終わった。オーストリア人の若者２人が毎日手伝ってくれた。
この時点で星籠はまだロープによる補強を要した。現在では第５次六勾にあるように、完全に自立する構造へと進化を遂げている。

製作自体は成功裡に終わったのだが、帰国後、ある人からの情報で、この作品がアンドレ・ヘラーの名前で発表されそうだという。私はすぐにFAXでオーストリア本社に掛け合い、かろうじて印刷物に関する最低限の著作権表示は守られたようである。

ところが、今のところ渡航費すらまだ支払われていないという情けない状況である。