STERN-WARTE
Akio HIZUME + Tomoko NINOMIYA
7th - 12th August 2001
Gallery MUKURI, Daikanyama, Tokyo, JAPAN

8月2日にインスタレーションの設営を始める。
水糸を使って正確なペンローズ・タイルを床の上に丁寧に作図する。
ほとんど誤差は出なかった。


7日の早朝に完成。正5角形錐体の砂のマウンドは安息角ぎりぎりで立ち上がり、エッジを保っている。
二宮知子は蝋でできた作品を自由な位置に置いた。
二宮作品もまた独自の周期で呼吸をするように点滅する。
今回、彼女は正12面体の作品を作った。
それらは加藤庸子さん直伝の方法で、手のひらだけで作られている



マウンド上空に浮かぶランプは海辺の波のようなテンポのフィボナッチ・ケチャックに同期して点滅する。
neuro-architectureのリゾーム空間にリゾーム音楽が鳴り響く。
そしてリゾーム構造のランプが同期して輝く。
これら3つの次元にまたがる造形はすべて同一形式である。
それぞれをいままで別々に発表してきたが、ここで過不足無くひとつに統合した。
この事の重要性はいくら強調しても足りない。


蟻の視覚からの映像。
近未来の都市像としてイメージしていただきたい。

音楽と明滅のパターンは、デジタル制御で自在に操ることが出来る。
比較のために√3、√2、π、自然対数の底の音楽も時々流した。
リクエストがあれば、トランス・テクノ・クラブ・ハウス系の高速ストロボ演奏も短時間行った。
これは気分が悪くなる人が多く「最終兵器」とまで言われた。
薬も度を過ぎると毒になるわけだ。

10日には「自由の幾何学」と題する特別講義を開き、黄金比の原理、それを活用した実験建築の紹介、インタラクティヴ音楽作品「REAL KECAK SYSTEM」、そして最新の音楽理論「実数の音楽」を披露した。またフィボナッチ・ケチャックの簡略版を皆で合奏した。

11日は竹のプレアデス・ランプを作るワークショップを開いた。参加者全員が見事に作り上げ、作品を持ち帰った。

会期中、牛若丸のような子供が迷路を縦横に走り回るなど、作者を内心ヒヤヒヤさせることもあったが、砂のマウンドは、そうした過酷な使用にも耐え、最後までそれなりのエッジを保ち続けた。
12日午後9時、会期満了時に居合わせた人々に砂のマウンドを自由に破壊していただいた。
しかし砂をいくらかき乱したところで、neuro-architecture の全体骨格は簡単に破壊しきれるものではない。

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