民主主義的階段 No.3

Democracy Steps to the Lonely Bay
©2005 Akio Hizume

Coromandel, New Zealand
Feb. - Mar. 2005

Curator
Betty Collings

Supported by
The Japan Society for Marcury Bay (Inc)
Department of Conservation
Cooks Beach Ferry Landing Parks and Reserves Committee
New Zealand /Japan Exchange Program
Thames Coromandel District Council
Tourism Coromandel
Eggsentric Cafe


Special Thanks
David and Hisae Lynch (The Japan Society),
John Gaukrodger, Derek Cox, Tony Wasley, Paul Edhouse, Mike Green (DOC),
Dave Dyllce, Julie Nevin, Eddie & Eriko MacLean, Addele Smile,
Casey Bowden, Arison Henry, Bob,
Dave, Denise and Johnnie (Eggsentric),
Jerry & Meg Thoma, Toby Morcom, Keith Morcom, Ted Collings


秩父(1993年)、オハイオ(1997年)に続き、3本目の民主主義的階段をニュージーランドに作ることになった。
発起人はオハイオと同じBetty Collings女史である。


2月12日にニュージーランド到着。夏の真っ盛りである。
ドラマティックな空を毎日眺めて過ごした。空が非常に広く感じるのはどうしてだろう? 雲のパースペクティブ?


敷地となったロンリーベイの景観。
この浜辺は名勝シェイクスピア・クリフとクックズ・ビーチの間にひっそりとあり、観光客よりもむしろ地元の人々に愛されているという。

敷地を正確に測量し、データを図面にプロットした後、コンピューターを駆使して階段を設計した。
今回の民主主義的階段では、大地を愛撫するようなデザインになるよう心がけた。
地面の起伏は自然なリズムの緩急をつくり、その場所固有の旋律を形成する。
これは設計図であると同時に楽譜でもある。 設計総延長は80mに及んだ。


設計に基づき水準器と水糸で正確にマーキングする


2月21日 いよいよ建設開始。


建設風景


一日の作業を追え、差し入れのビールで一服


民主主義の階段 完成。左から上部、中部、下部。


民主主義的階段を下ると、宝石箱のようなロンリー・ベイにたどり着く。
砂浜は金色の貝殻でぎっしり。水は透明で、魚は大変豊富である。
この海はキャプテン・クックが上陸し、水星を観測したことで有名である。


完成式典で、設計図を楽譜に見立て、フィボナッチ・ケチャックを演奏する。
スピーチでは次のような話をした。

この民主主義的階段は音のない音楽です。
上り下りする人は無意識に音楽を経験します。
周知のとおり、「無意識」は「意識」をはるかに超える知識と能力を有します。
「無意識」が精神の大海だとすれば「意識」は大洋に浮かぶ小島に相当するでしょう。
民主主義的階段は主にこの「無意識」に働きかけます。
もしあなたが日常生活において、なんらかの閉塞状況に突き当たったならば、ぜひこのロンリーベイへ泳ぎに来てください。
その際この階段を歩かざるを得ないわけですが、家に帰るまでに、あなたはいつのまにか新しい着想を得ているかもしれません。


日曜日には、地元の学生を集め、エグセントリックにて星の結晶を作るワークショップを開催した。


30分ほどで星籠完成


お世話になったジャパン・ソサエティ会長、デビッド・リンチ邸。
氏はフィティアンガ郊外の国立公園を思わせる森林に居を構え、そこにフラードームを建設し、それを合気道道場とされていた。


民主主義的階段エントランスにあるカウリの大木。とてもいい香りがする。右はメスの実。
一見マツカサのようだが、機が熟するとはじけ飛んで、鱗はばらばらになってしまう。
木材、樹脂、焼畑、そして牧場開拓などによる伐採で、一時は絶滅の危機にあったという。
カウリの木はキウイ鳥と同様、手厚い保護を受けている。


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