星状生命体
PLEIADES
プレアデス
(c)1995 Akio HIZUME, All Rights Reserved (Patent Pending).

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君はプレアデスの鎖を結ぶことが出来るか。(Job 38-31, The Old Testament)

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 夜空に青白くひっそりと輝く若い星星の群れ。プレアデス星団はギリシャ神話や旧訳にも見え、非常に古くから親しまれてきた星座である。おそらく古代エジプトやエチオピアの文献にも登場することであろう。日本では「むつらぼし」あるいは「すばる(結ばる、統べるの意)」と呼ばれ、平安のころにその記述があるという。
 しかしオリオンや北斗七星に比べて遙かに目立たないこの星団が、なぜこれほどまでに注目されたのか。
 私は子供の頃、冴え渡る冬の夜空にひっそりと、しかし希望に満ちた輝きで寄り添う姿に、まだその名前を知らぬうちから深い愛着をおぼえた。人ははかない輝きゆえにあこがれる。プレアデスは文字通りの「希望」そのものに思えた。

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 準周期構造を探求する中で、私は1995年に副産物として星状生命体「プレアデス」を発明した(1)。これは6つの五芒星(ペンタグラム)が互いに鎖のように結ばれた立体組織である。星が6つ鎖状に絡まり、一体となっているから「プレアデス」と名付けた。
 竹製のプロトタイプが、1995年11月から1996年4月までニューヨーク Saint John the Divine Cathedral およびPratt Instituteで開催された B.Fuller 生誕100年を記念する "Design Science 展"に、「六勾(むまがり)(2)」と共に展示された。

 この立体はたやすく平面状に折りたたむことができる。悩ましくうねり絡まるようにたたまれた状態を、私は「プレアデスのデカダン状態」と呼ぶ。この状態に美を感じるとしたら、あなたのデカダン度は相当なものだ。
 この平らな星を、回転させつつ、手裏剣のように放り投げる。そして壁や天井にぶつかって衝撃を受けると、一瞬にして3次元のエレガントな対称を取り戻し、床の上ではずむ。覆水盆に返るわけである。この瞬間はまるで体操選手が着地に成功したときのようだ。この選手の試技は概ね5本足で着地するが、ともすると3本足で着地することもあり、そのときはウルトラCの成功を祝福してあげよう。3本足で立つときの姿はフィギュアスケート選手が優雅に回転するようでもある。

 再び平面に折りたたむときは6本の5回回転対称軸のうち任意の軸を選ぶことができる。たたまれた状態は幾分ストレスが加わっているとはいえ安定で、ある臨界を越えた衝撃が特定の方向から加わらない限り立体に復元することはない。このことは収納や運搬に甚だ好都合である。

 プレアデスの平行投象図はなかなか込み入っている。しかし驚くべきことに、円周をただ10等分するだけで、作図する際のすべての情報が導出されることも筆者は見出した。

(1)「HEXA-PLEXUS」, Hyper Space Vol.4 No.1, 高次元科学会,1995.

(2)「ペンローズタイルの応用」, 形の科学会報, 第7巻第3号, 1992.
「星籠」,形の文化誌 “アジアの形を読む”, 工作舎, 1994.

上の写真は、蛍光アクリルで作ったプレアデスです。

柳瀬順一氏がプレアデスのVRML映像を作って下さいました。
その映像ではインタラクティヴにプレアデスを回したり、中心部に入り込むことが出来ます。
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