2007-10-10 Wed [ コスタリカ ]
by 日詰明男
コスタリカにおける対アメリカ自由貿易協定(TLC)の導入をめぐって行われた国民投票の結果は、賛成51.7%、反対48.3%という結果に終わった。投票率は60%だったという。
賛成したのは富裕層である。
「コスタリカよ、おまえもか!」という気分である。
この国民投票は現職オスカル・アリアス・サンチェス大統領の一存で決行された。
アリアス大統領は周知のように1986年から1990年まで大統領を務め、1987年にはノーベル平和賞を授与されている。
本来コスタリカ憲法では大統領は一回限りの任期で再選は禁止されていたのだが、数年前にアリアス陣営の圧力によって憲法が改正され、アリアスは例外的に2回目の大統領就任を許されたという経緯がある。
再選の弊害がこのような形で現れたことは、未来のコスタリカ人にとって悔やんでも悔やみきれない汚点となるであろう。
現在、小差だったこともあって票の数えなおしが選挙最高裁判所によって行われているそうだ。
たとえこのままTLCが批准されたとしても、賢明なるコスタリカ国民は簡単には引き下がらないだろう。
しばらく眼が離せない状況が続きそうである。
教訓
政治家の再選はろくなことにならない。利権の温床となるだけである。
まして世襲議員や代議士一族などありえない話である。
憲法を安易に変えてしまったことがそもそもの失敗である。
|| 22:10 | comments (x) | trackback (x) | △ ||