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森永卓郎を弁護するならば
by 日詰明男
「使用済み核燃料は地下3000mまで掘って捨てるしかない」と森永卓郎がTBSラジオで言っていました。
対象はすべての原発です。
それを聞いた出演者の阿川佐和子と大竹まことは「本当に森永さんそれでいいと思っているのですか!」と人格否定までしかねない勢いで怒りを噴出していました。
森永は意外な反感に直面し、たじろぎながらも小さな声で「でもそれしかない」とつぶやくのですが、二人の怒りは収まりません。
いつもはしゃべり足りずに時間切れとなるのですが、このときは森永からそそくさと話を切り上げ退場していました。

阿川と大竹の反応も良くわかります。
彼らは誰かに原発建設前の時代に戻してほしいと漠然と願っているのでしょう。
現状復帰の道がかならずあると信じている。
たしかに地上のほとんどの問題は、なにかしら現状復帰に近い状態まで回復することができる問題ばかりです。
ホメオスタシスも地上のいたるところで見られます。
「怪我の功名」になることさえあります。
不治の病とされる人でさえ、一直線に死へとは至らず、一進一退、何度も輝きを取り戻すものですし、医者に見離されても寛解する人さえいます。
絶望した人が「人間が作った問題は人間が解決できる」と励まされて自殺を思いとどまった、という話もありました。
生態系も含め、地上で営まれる日常は奇跡に満ちています。
私たちはそれを「あたりまえだ」とさえ言ってのけます。
このような経験則から「どんな問題も解決できないものはない」と人が信じるのも無理はありません。

しかしこと原子力に関してはまったくこれが通用しない。
情け容赦なく進行するエントロピー増大の冷徹な物理的不可逆過程そのものです。
涼しい顔でやすやすと奇跡を遂げてきたさすがの生態系も、核暴走には手も足も出ません。
すべての生命現象はこの恒久的で巨大な崩壊過程に寄生した、かりそめの散逸構造なのだと思います。

阿川や大竹のようにほとんど人は無意識に奇跡を望んでいるのだと思います。
森永は感情抜きで事実を語ったつもりなのでしょうが、聞き手が感情を噴出したのでたじろいだのでしょう。
僕の意見では、掘るのは大変。盛った方がまだまし。
遅かれ早かれ、子孫たちは先祖によって作られてしまった世界中の原発に、反転したアリジゴクのような「夢の山(核分裂火山)」を累々と築くことになると思います。
危険な場所としてわかりやすくもあります。
風化するまで少なくとも数千年。

とにかく、核開発は地上の生態系の寿命をかなり縮めてしまいました。
この不可逆の問題に比べれば、以前に取りざたされていた「地球温暖化」など、ガイアのホメオスタシスが期待できるかわいい問題でした。

|| 23:27 | comments (x) | trackback (x) | ||


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